6月になりました。 6月というと、各自治体において、住民の住民税額が確定されたり、新年度の納税証明書・課税証明書の取得が可能な時期ですね。

この住民税について、平成29年度から、東京都(都内62市区町村)の住民税の特別徴収が徹底されるようになります。

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住民税の特別徴収とは?
給与支払者(事業主)が納税義務者(従業員)に代わって、毎月の給与から個人の住民税を差し引いて納める制度です。 つまり、毎月の給与額から住民税が天引きされてから給与が支給されるので、住民税の未納付や遅延の心配がなくなります。

対して、「普通徴収」という方法もあります。 これは、住民税を個人で各自治体に納める方法で、自治体からの通知に従って、年4回に分けて住民税を支払います。 この場合、納付を忘れたり、うっかり納付が遅れたりするケースがよくありました。
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住民税は、ビザ申請や帰化申請において、非常に重視されるため、これらの観点から、ビザ・帰化申請者にどのような影響を与えるのか、考えてみましょう。

これまで、企業に雇われている従業員の方でも、「普通徴収」を行っている方がいましたが、東京都では、平成29年度からは、普通徴収を選択することができなくなってしまいます。

当然、外国人の方も対象となりますので、東京都住民は注意が必要となります。

●経営管理ビザ 従業員が東京都民である場合、従業員の住民税納付について、普通徴収を行っていたら、特別徴収に切り替える必要があります。 従業員の税額決定通知は、各特別徴収義務者(事業主)宛てに、東京都の各自治体から5月31日までに送付されますので、それに従って手続きを行う必要が出てきます。

●帰化申請や永住申請 帰化申請や永住申請の際、住民税をきちんと納付しているか、遅延していないか、等は非常に重要な審査基準になります。 これまで、企業に勤務されている方が帰化申請・永住申請をする場合、特別徴収を行っていれば、特に未納付や遅延について心配する必要はありませんでしたが、 普通徴収を行っている場合、未納付があったり、うっかり納付遅延をしているケースがありました。 しかし、今後は特別徴収が徹底されることにより、住民税の未納付や納付遅延についてあまり心配する必要がなくなってきますね。

●就労ビザ 就労ビザの更新や変更において、納税状況は審査の重要なポイントとなります。 未納付や遅延が審査に大きく影響することがありますので、今後住民税の特別聴取が徹底されることにより、未納付や納付遅延の心配がなくなりますね。 特別徴収への切り替えについて、従業員の方本人は、特に何か手続きをする必要はなく、5月31日までに事業主を通じて税額決定通知が配布されます。 もし平成29年以降も普通徴収の通知がお手元に届いてしまった場合は、きちんと勤務先に確認しましょう。

なお、特別徴収の対象となる方は、 「前年中に給与支払いを受けていて、かつ当該年の4月1日時点において給与の支払いを受けている、アルバイト・パート・役員等を含むすべての納税義務者」です。

また、給与以外の所得がある場合は、給与以外の所得の部分に限って、普通徴収を選択することも可能です。

ビザの審査において、納税義務をきちんと行っているかどうかは、かなり重視されます。 外国人従業員の皆様も、外国人従業員を雇用している事業主の皆様も、ご注意ください。